8. 予防接種と手帳
予防接種に行った話。
チューリヒをはじめとする北スイス、オーストリアや南ドイツでは、ダニを媒介とした脳炎に対する予防接種が推奨されています。
森や林など草木が生い茂るところに住んでいるダニは、病原菌をもっていることがあって、このダニに噛まれると神経や脳に症状が出るみたいです。
後遺症が残ることもあると聞いたので、以前から「私も予防接種しておこう」と決めてました。
せっかくスイスにいるなら山とか森とか行きたいですし。楽しみたいし。
このダニの行動が活発になるのは春~夏のようなので、私も春前には予防接種が終わるように計らって。
聞いた話ですけれど…
子供たちが藪の中で遊んだあとには、両親が子供たちの体を念入りにチェックして、どこかにダニがくっついていないか、噛まれていないかを見るそうで…。
おしりとかもチェックするとか聞いて。
私は、「服着てれば大丈夫でしょ(笑」と思ったけれど。
どうなんだろう。本当なのかな。というか、ダニって肉眼でも見えるのかな。
時間がかかった予防接種
この予防接種は、3回に分けて行う必要があります。
1回目の予防接種。そのあと1か月あけて2回目。
2回目から6か月後に最後の3回目。
合計で7か月かかって、ようやく予防完了です。
6か月空いた期間に、予防接種のことがすっかり頭から抜けてしまって…。
カレンダーに書いておかなかったら、忘れていたかもしれません。
しかも、私が予防接種に行っていた薬局(?)Apothekeは、毎週決まった曜日のそれぞれ1時間ほどしか予防接種を受付してくれないので、一回タイミングを逃すと結構焦るんですよね。
注射できる人がいつもいるわけではないので、その人の出勤時にのみ接種可能、ということらしいです。
3回の予防接種が終わったら、10年間は効くようです。
もし10年後にスイスに住んでいたら、また7か月かけて予防接種します。
ちなみに、ホームページには、ダニの予防接種は一回20フランと書かれていますけれど、
その他もろもろ費用は上乗せされて、結果的に一回70フランになりました。
ダニが多く生息する地域(チューリヒなど)では、保険が適応されるので、レシートは取っておいて、あとで保険会社に請求できるようにしておきます。
麻疹の予防接種をした話もついでに。
チューリヒ大学に入学して最初の冬。
大学からメールが来ました。
「大学で麻疹の予防接種をします。
希望する学生・教員・職員は、〇月〇日~〇日の期間に、△△教室へ来てください。」
これは、チューリヒ大学に在籍している人は無料でしてもらえたので、ラッキーと思って行ってきました。
1回目の訪問
スタッフ「学生証見せてください。じゃあ、このアンケートやりながら待っててね。
あと、最後に麻疹の予防接種をしたのはいつですか? 予防接種手帳みせて。」
『最後に麻疹の予防接種をしたのはいつか』…いつだろう。
中学生か高校生のときにやったかもしれない。大学生のときだったかな。
中学生から大学生のときまでって、振り幅が大きすぎて全然参考になりません。
「分かりません。あと、”予防接種手帳”てなんですか。」
って答えたら、出身を聞かれました。
日本ですって言ったら、
「じゃあ、子供のときにはしてると思うんだけど…。
どうする? 今日予防接種する? ご両親に聞いてから明日もう一回来る?」
て言われたので、とりあえず出直すことに。
別に、その日にすぐ予防接種してもらっても全然かまわないし、問題はなかったと思います。
でも、気分的に。
予防接種の履歴も自分でちゃんと管理しておかないとですね。
母親に、今までの予防接種経験を聞いて、麻疹の予防接種のタイミングも聞いて、もう一回大学の受付に行ってきました。
翌日、2回目の訪問…。
同じスタッフの人「分かった? 前回の予防接種、いつだった? そう、OK。スイスの予防接種手帳ほしい? じゃ、作りましょうw」
スタッフの人はかなり優しくて、手帳もすぐに準備してくれたんです。
で、注射して、記録して終わりでした。
無料でしてもらえたし、対応もよかったしw
この手帳は、ダニ媒介脳炎のときにも大活躍しました。
履歴が一目瞭然ですから、誰が見てもわかりやすいんですね。
手帳、大事にとっておこうー。